人間は感情でモノを買い理屈で正当化する」という言葉があります。

マーケティングを学ばれている方なら少なからず聞いたことがあるでしょう。

人がモノやサービスを買う時は感情を動かされて買っているのであって、理屈で買っているのではない。という法則です。

なので、巷のマーケターは何とかして消費者の感情を動かそうと躍起になっています。「感情こそがすべてだ!」と。

それは間違いではありません。しかし盲点もあるような気がします。

感情でモノは買ったが…

私は以前、ある買い物で欲求という感情が動かされました(その買い物とは…?詳細はコチラより)。「面倒な作業から解放される!」と。

しかし、その感情だけで商品を選んだわけではありませんでした。なんなら感情を動かされたのは最初に目にした商品で、それを買おうとしていたのですが、結局は類似商品を買ってしまったのです。

欲求という感情が「モノを買う」という行動を起こすことはできましたが、その商品を選ぶかは別問題だと感じました。

感情が動かされても結局のところ、競合商品やライバルとのサービスの違いがわからなかったら、その商品やサービスがそもそも選ばれません。

つまり、感情が動いても、理性脳が「いや、ちょっと待てよ?他にも似たような商品やサービスがあるんじゃないか?」そう思われる可能性がある。ということです。

つまり、消費者にあなたの商品やサービスを選んでもらうには、感情を動かすだけでは事足りず、何かしらのアプローチもしないといけないのです。

では、消費者が競合他社に浮気してまわず、あなたの提示するものにだけに釘付けになってもらうには、どうすればいいのでしょうか?

お客さんに選んでもらうトリガー

それは、、

違いを明確に打ち出す」です。つまり、「ライバルとの違いを明確にする」ということです。

競合との違いを見出すことができれば、見込み客が自分の問題や願望に合ったものを選びやすくなります。

たとえばラーメン屋さん。私はラーメンが好きではないのですが、たまーに食べたくなる時があるんですね。でも食べるとしたら魚介系スープのラーメン屋さんに直行します。豚骨や鶏ガラはすぐにお腹を下しますし、魚介系ならあっさりしているので迷わずそれを選べるわけです。(ラーメン屋が魚介系ばっかりだったら迷いますが…)

選択肢が多いと…

一方、違いが見出せなかったらどうなるでしょうか?

これはそもそも…ですが、違いが明確になってないから選ばれにくいわけで、下手をすれば、選択肢が多ければ多いほど何も選ばれないという結果すら生み出します。選択肢が多くなると、人間の脳は混乱して考えるのを止めるという習性があるくらいです。

たとえば宅配ピザ屋さん。私の自宅のポストには、いろんな種類の宅配ピザ屋さんのチラシが入っています。チラシの写真を見ると、ついヨダレが出てしまうのですが、お店の違いがわかにくいため、正直どれを選んでいいのかわかりません。あれやこれやと迷っているうちに「やーめた。他のにしよう」となってしまうことが多々あります。

あなたもそんな経験の1つや2つ、あるのではないでしょうか。

つまり、ヨダレを垂らすくらいの欲求を喚起させても、競合他社や、ライバルの商品やサービスと違いを明確にしなければ、消費者の頭は混乱してしまうのです。

ですので、消費者が選択しやすい状況を作ってあげるということが大切なのです。

競合と差別化するためのポイント

差別化はわかっているけど、、でも違いが見出せないねんなぁ。。

そう感じておられる経営者も少なくありません。でも、かならず違いはあります

それは、他にはない「あなた自身の強み」を引き出すということです。それは、人であり、商品やサービスでもあります。

  • なぜ、あなたは事業を経営しているのか?
  • なぜ、その商品やサービスを提供するのか?
  • お客様にどうなってもらいのか?
  • そのためにどんなこだわりがあるのか?etc

そういった視点から、あなたのお店や会社、商品・サービスの「独自の強み」を見出す必要があります。

強みを見出し、ライバルにはないものを提示すれば、お客さんは、あなたのお店、商品・サービスの違いを認識し、購入を意識してくれるようになるでしょう。

また、違いを引き出すという大きな施策以外にも、消費者に選んでもらうトリガーで、私が今すぐ思いつく対策は3つあります。

(1)、強い繋がりを築く

1つ目は、「強い繋がりを築く」ということです。

人間の心理として、類似商品との違いがわからない場合、「価格で選んでしまう」という心理が働きます。しかし、「強い繋がりを築く」ということをすれば、それを回避することができます。

たとえば、ある家電製品を買うとします。買うメーカーや型番は決まっていて、どのお店も提示している価格は似ています。「あとはどこで買うか?」となった時、馴染みのあるお店や、知り合いの店員がいるお店で買わないでしょうか?

それは、一種の繋がりがあり、人間の心の中には「失敗を犯したくない」という心理があるからです。

(2)、理性を失うほどの感情を刺激する

2つ目は、「理性を失わせるほどの感情を刺激する」ということです。

人間は、感情的になると理性を失うと言われています。たとえば「怒り、憎しみ」なんかが典型例です。あなたはどうでしょう?

強い怒り、深い憎しみをおぼえると、冷静に考えれなくなりますよね?クルマを運転していたら、急に割り込みされたとか、むやみにクラクションを鳴らされて「カッ」となって、気づけば大きな事件に発展していますよね?

もちろん、怒りや憎しみだけではありませんが、感情がより深く強くなると、人間は冷静でいられなくなるのです。しかしこれは、かなり高度なテクニックですので、使い方に注意が必要です。

(3)、限定性・希少性を打ち出す

そして、最後は「限定性・希少性を打ち出す」です。これは強力なトリガーだと思います。なぜなら、人間は限定性や希少性にかなり反応するからです(特に日本人はそういう傾向にあると言われています)。

たとえば、私は「iphone8plus」のREDを持っています。ブラックやゴールドもあったのですが、RED色が限定だったから買ってしまいました。

他にも、電車も良い例ですね。私は大阪の御堂筋線という地下鉄をよく利用するのですが、5分に1本くらいのペースで電車が走っています。なので、乗り遅れても「次の電車がすぐに来るからいっか…」となりますが、これが終電だったらどうでしょうか?乗り遅れまいと、電車に向かって猛ダッシュで走りますよね?(笑)。

人間というのは門が狭ければ狭いほど、手に入らなければ手に入らないほど、それを欲しがるという性質がどうやらあるようです。

最後に…

人間の欲求を自分の商品に方向づける

広告の神様であるジーン・シュワルツ氏が確かそんなフレーズを言っていたと思うのですが、マーケティングで消費者の感情を動かすことに翻弄され、見込み客の欲求を自分のところまで方向付ける、、ということを忘れないようにしないといけませんね。